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ALCパネルの特徴や他の外壁材との違い・外壁塗装時に最適な塗料を解説
ALCパネルの外壁材というと、かつてはビルなどの大規模な建物に使用されることが多かったのですが、だんだんと戸建ての住宅に採用されることも増えてきました。
その理由は何と言っても、ALCパネルの基本性能の高さです。
『軽量』『耐久性』『断熱性』『遮音性』『耐震性』『不燃性』といった要素に優れており、建材の理想のほぼ全てを兼ね備えていると言っても過言ではないALCパネル。
適切なメンテナンスを行えば50年以上、場合によっては60年以上の耐用年数を保つことも可能とされています。
ですが、弱点も存在しています。
本記事ではその対策となるメンテナンス方法を始め、ALCパネルの特徴、種類、採用する前に知っておきたい注意点、そして外壁塗装にベストな特徴を持つ塗料などを施工経験豊富な街の外壁塗装やさんが解説いたします。
ALCパネルとは?
ALCパネルのALCは(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)の略で、『高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート』を意味します。
その名のとおり、内部に無数の小さな気泡を含むことで軽量かつ断熱性に優れたコンクリートを実現しています。
高温高圧蒸気養生
高温かつ高圧の水蒸気によってコンクリートを養生し、通常では28日を要する強度の形成をたったの1.5日で実現することが可能なALCパネル独自の仕上げ方法。
オートクレーブ(高温高圧蒸気釜)養生とも呼ばれます。
内部に無数の気泡を形成し、それによって通常のコンクリートに比べて約1/4の軽さで製造できることを最大の特徴としているため、『軽量気泡コンクリート』と名付けられています。

セメントに気泡を発生させるアルミニウム粉末の他、生石灰やセメント、珪石などの無機質材料を混ぜ込み、補強材の鉄筋やラス網(金網)とともに凝固させます。
その後、高温・高圧の蒸気で養生(Autoclaved)すると、極めて安定したトバモライト結晶が生成されます。
トバモライト結晶は乾燥収縮や熱膨張が小さく、反りやたわみ、クラック等が発生しにくいのが特徴です。
つまりALCパネルは非常に優秀な性質を持った外壁材と言えるのです。

普通のコンクリートを打設する場合、できるだけ気泡が入り込まないように工夫します。
ところが工場で生産されるALCはわざと気泡を発生させて、多孔質にするのです。
気泡が含まれた分だけ、ALCは軽くなります。
また、その気泡は各々独立していますから、空気層を形成することで極めて熱を伝えづらいのです。
加えて、コンクリートですから不燃です。
ALCパネルの不燃で軽く、高断熱という特徴は多孔質な構造のおかげなのです。
ALCパネルには2種類の厚みがあります
ALCパネルは、JIS規格(JIS A 5416)に基づいて製造・出荷されている工業製品です。
厳格な基準によって寸法や品質が管理されており、安定した性能を持つことが保証されています。
そしてALCパネルは多様な用途に応じるため、建材を「厚型」と「薄型」の2種類に分けて展開しています。
1. 厚型パネル
厚型パネルは厚さ75mm以上のパネルで、主に鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建築物に使用されます。
厚みがあることによる高い強度と耐火性能を持ち、耐火建築物に適しています。
また、断熱性と遮音性も優れているため、ビルやマンションなどの大型建築物で用いられることの多い種類です。
2. 薄型パネル
薄型パネルは厚さ35mm以上、75mm未満のパネルで、主に木造や鉄骨造の一般住宅に使用されます。
薄型パネルのメリットは軽量で扱いやすく施工が容易な点です。
こちらも断熱性と遮音性がしっかり確保できるため、戸建て住宅や小規模な建築物に用いられることが多いです。
形状による分類
厚み以外にも、ALCパネルは平らな形状で外壁の平面部分に施工される『一般パネル』と、建物の四隅に適したL字型の『コーナーパネル』というように分類されています。
表面仕上げによる分類
「平パネル」はフラットな仕上がりでシンプルな印象を与えるのに対し、「意匠パネル」はライン模様やチェック柄などが施されており、デザイン性を重視した外観づくりに最適です。
☑ 耐火性に優れている
☑ 高い断熱性能
☑ 優れた遮音性能
☑ 軽量で耐震性が高い
1. 高い耐久性と安定した品質
ALCパネルには木繊維やパルプ材といった有機物が一切使用されておらず、基本的に珪石やセメントなどの無機質素材のみで構成されています。
そのため、湿気や気温の変化による反り・割れが起こりにくく、経年劣化にも強いのが特徴です。
内部には防錆処理が施された鉄筋マットやスチール製のメタルラスが埋め込まれており、外部からの衝撃や圧力にも高い耐性を発揮します。
定期的な塗装などのメンテナンスを行えば、50年〜60年以上の長寿命化も十分可能で、建物全体の耐久性を大きく支える外壁材となってくれます。
2. 耐火性に優れている
ALCパネルは不燃材料であるため、火災時に住宅の延焼を防ぐことができます。
さらに、火災が発生しても有毒ガスの発生が少ないです。
この高い耐火性能により、ALCパネルは防火構造や耐火建築物にも幅広く採用されています。
3. 高い断熱性能
内部に多くの気泡を含むALCパネルは、優れた断熱性能を持っています。
気泡が空気の層を作って外気温の熱伝導を低減してくれるため、冷暖房による室温が保たれやすく、夏は涼しく・冬は暖かい快適な住環境の実現に寄与してくれます。
通常のコンクリートの約10倍という断熱性能から、ALCパネル内部の気泡がいかに重要な役割を持つかが分かりますね。
4. 優れた遮音性能
ALCパネルの気泡構造は音を吸収してくれるため、断熱性だけではなく高い遮音性能にも一役買っています。
交通量の多い道路沿いや騒音が気になるエリアでの住宅に採用することで、生活の大きな悩みになりやすい音の問題を減らすことが期待できます。
5. 軽量で耐震性が高い
ALCパネルは通常のコンクリートの約1/4の軽さを持つため、建物全体の重量を軽減し、地震時の揺れを抑える効果があります。
外壁はお住まいの中でもかなりの割合を占める建材ですので、軽量化による恩恵の大きさが伺えます。
また、取り付けには「ロッキング構法」と呼ばれる方法が採用されることもあり、地震で建物が変形してもパネルが微小に回転しながら変形に追従するため、ひび割れや落下リスクを大幅に軽減します。
軽量で耐震性に優れることから、地震が多い日本の住宅にマッチした外壁材なんです。
☑ 初期費用が高い
☑ 目地からの雨漏りリスクの高さ
1. 吸水性が高い
ALCパネルは水を吸いやすい性質があります。
そして、この吸水性の高さがALCパネルの最大の弱点です。
適切な防水処理を施さないと雨水や湿気をどんどん吸収してしまい、膨張やひび割れの原因となります。
では、どうやってALCパネルを長持ちさせるのか。
2. 初期費用が高い
| 外壁の種類 | 1平方メートルあたりの費用相場 |
|---|---|
| ALCパネル | 約7,500円~16,000円 |
| 窯業系サイディング | 約3,500円~5,000円 |
大変優れた性能を発揮してくれるALCパネルですが、その初期費用は他の外壁材に比べて高めです。
1平方メートルあたりの費用が約7,500円から16,000円となっており、材料費と施工費を合わせると全体のコストは高くなります。
これは戸建ての新築時に一般的に使用されることが多い窯業系サイディングの約3,500円から5,000円の相場と照らし合わせてみると、ALCパネルの初期費用がどのくらいの高さなのか理解しやすいと思います。
しかし、ALCパネルは耐久性・断熱性・耐火性・耐震性など多方面で優れており、適切にメンテナンスを行えば60年以上の長期使用が可能です。
また、日本国内ではJIS規格(JIS A 5416)を取得したわずか3社のメーカーのみが製造を許可されている工業化製品であり、その品質と信頼性は極めて高いものです。
初期コストこそ高いものの、メンテナンスを継続することで他を圧倒するほどの耐久性を発揮し、かなり長期的にお住まいの外壁材として使用できる点は大きな魅力と言えるでしょう。
3. 目地からの雨漏りリスクの高さ
ALCパネルは、サイディングボードなどと比べて1枚あたりのサイズが小さいため、外壁材同士の目地(つなぎ目)の数が多くなるという特徴があります。
この目地には雨水の浸入を防ぐためのシーリング材が充填されていますが、紫外線や温度変化の影響を受けやすく、劣化のスピードが比較的早い部位です。
そのため、シーリングのひび割れや剥がれを放置してしまうと、そこから雨水が建物内部に浸入し、雨漏りの原因となる可能性があります。
先程もご紹介したようにALCパネルは吸水性の高い素材でもあるため、シーリングの劣化を放置すると吸水が進んでしまい、内部の鉄筋や構造体にまで影響を及ぼすおそれがあります。
建物の外壁材には様々なものがありますが、多孔質で独立した気泡が無数に存在する構造を持つALCは取り分け独特と言えるのではないでしょうか。
先ほど最大の弱点としてご紹介した『吸水性の高さ』も、この多孔質な構造が関係しています。
細かな気泡が無数に存在するALCパネルの表面では毛細管現象が発生しやすく、極小の孔を通じて水分を外壁内部へと引き込みやすいのです。
吸水の影響は思った以上に甚大で、メリットとして挙げた断熱性やそもそもの耐久性を大幅に下げることに繋がってしまいます。
ALCの弱点である吸水性の高さは、外壁塗装とシーリング打ち替えで克服できる
その問題を解消するため、この細かい孔が露出しないように表面を外壁塗装でメンテナンスし、併せて雨水が干渉しやすくなる目地部分の劣化したシーリングを打ち替えていくというのがALCのメンテナンスの基本です。
外壁塗装と目地のシーリング、これは窯業系サイディングなど他の外壁のメンテナンスと変わらないのですが、ALCには特に重要になってくるのです。
適切な時期に適正な塗り替えとシーリングの打ち替えを行えば、ALCの50年超という長い耐用年数を全うすることも決して難しくはありません。
日本の住宅の平均寿命が27~28年ですから、ALCパネルはほぼ倍の寿命です。しかも、『高断熱』、『不燃』、『高い遮音性』、『地震に強い』と理想を極めたような外壁材ですから、いつまでも快適なお住まいでお過ごしいただけます。
定期点検と塗装のタイミング
ALCパネルの防水性能を保つための最も重要な要素は、表面塗膜の防水機能を維持することです。
その塗膜は年月とともに劣化していくため、10年~15年ごとを目安に再塗装を行うことが推奨されています。
シーリング材は「高耐久タイプ」で統一する
ALCパネルは1枚あたりのサイズが比較的小さいため、他の外壁材に比べて目地(つなぎ目)が多くなります。
この目地部分に充填されるシーリング材は、ALC外壁の中でも最も劣化が早く、雨水浸入のリスクが高い箇所です。
外壁の塗り替え周期(10〜15年)とシーリングの寿命が一致していないと、目地の補修のたびに足場の設置費用(15〜25万円程度)が都度発生するため、経済的にも効率が悪くなります。
そのため、長期耐久型のシーリング材を選び、外壁塗装と同時に施工することでメンテナンス周期を合わせることを我々「街の外壁塗装やさん」ではオススメしています。
また、シーリング材の柔軟性を引き出すために多く含まれる可塑剤は、経年により表面に染み出してブリード現象(黒ずみ汚れ)を引き起こします。
これを防ぐためには、可塑剤を含まない高耐久タイプを選ぶことを推奨しています。
おすすめは30年の寿命を持つオートンイクシード
街の外壁塗装やさんがALC塗装にお勧めしたいシーリング材は、オート化学工業のオートンイクシードです。
オートンイクシードは可塑剤を含まずに独自の成分を配合していますので、ブリード現象が発生せず、長期間にわたって弾性を維持することが出来ます。
ALCパネルの外壁塗装で使用する塗料は透湿性の高いものを選びましょう
水分を吸い込ませなければ良いという考えから、ALC塗装に「弾性塗料・防水塗料」はどうでしょう?とご質問をいただくことがあります。
確かに伸縮性が高いため、ALCに発生するクラックの影響は受けにくくなるでしょう。
しかし、防水性の高さが仇となり、内部からの水分を抜くことが出来なくなるため、吸水しやすいALCパネルから発生した水蒸気や湿気によって引き起こされる塗膜の膨れ・剥がれが顕著に目立ってしまい、結果として再度ALCが吸水する原因になります。
このような事態を避けるため、ALCに使用する塗料は透湿性が高いものを選ぶべきです。
透湿性が高い塗料ならば水蒸気を通過させるため、塗膜に与える影響は最低限になります。
ALCパネルは吸水しやすいのですが、同時に乾燥しやすい性質も持ち合わせます。
その乾燥を阻害してしまわないためにも、塗料には透湿性の高さが求められるのです。
塗料は「水性」と「油性」のどちらがALCには適している?
ALCに適した塗料に関して「水性・油性(溶剤)どちらの方が適しているの?」とご質問いただくことがあります。
≪水性=水に弱い≫……このようなイメージを持たれている方はまだまだいらっしゃいます。
確かに一昔前までは油性(溶剤)が明らかに高耐候だったのですが、現在は技術も進歩し、耐久性が高く臭いの少ない水性が主流になりつつあります。
隣家が近くて油性特有のにおいが気になる方は水性、周辺環境に問題なく少しでも耐久性を高めたい方は油性(溶剤)の塗料がおすすめです。
| 隣家が近く臭気が気になる方 | 周辺環境に問題なく 少しでも耐久性を高めたい方 |
|---|---|
| 水性の塗料 | 油性(溶剤)の塗料 |
ALCの外壁塗装には業者選びを特に重視しましょう!
ALC外壁はサイディングやモルタルに比べると費用が高いため、物件も少なく必然的に塗装案件も少ない傾向にあります。
中にはALCの塗装を行ったことがないという塗装業者もいるでしょう。
経験豊富な業者なら、透湿性の高い塗料をチョイスしてくれるはずですが、心配な方は「塗料は透湿性の高いものを使いますか」と尋ねてみれば、後々の間違いも少なくなります。
また、ALCパネルの表面には細かな気泡や凹凸が存在しているため、塗装の際には丁寧な下地処理と塗り込み作業が不可欠です。
ALC特有の構造を理解した上で、経験豊富な施工業者を選ぶことが長持ちの条件です。
お客様にとって大事なお住まいだからこそ、ALCの特徴を把握した上で技術の高い塗装業者によるALCに適した塗料での塗装工事をお願いしましょう。
サイディングボードとの違い
サイディングボードはデザインの多様さとコストパフォーマンスが大きな魅力で、日本の住宅で最も多く採用されています。
しかし、耐久性・耐震性・防火性といった基本性能においてはALCパネルの方が上回ります。
外観のバリエーションを重視するならサイディング、建物の性能と耐久性を重視するならALCパネルが適しています。
モルタルとの違い
モルタル外壁は職人の手仕事による継ぎ目のない美しい仕上がりが特徴で、目地がないためシーリングのメンテナンスが不要です。
しかし、乾燥や地震によるひび割れ(クラック)が発生しやすいという欠点があり、構造的な安定性ではALCパネルに劣ります。
見た目の美しさを重視する住宅ではモルタルも人気ですが、耐久面ではALCパネルがより信頼性の高い選択となります。
ALCが含水するとそれだけで強度が低下すると言われており(問題のないレベルですが)、そうしたデータを発表しているメーカーもあります。
含水による強度低下は乾燥すれば元に戻るので、それほど深刻なことではありません。
問題は内部に補強のために使われている鉄筋やラス網(金網)です。
防錆加工はされているものの、何度も雨水の干渉を受けていればその効果も落ちてきます。
鉄が錆びれば体積は膨張しますから、内部から軽量気泡コンクリートが押し出されることになり、剥落や欠損が生じるのです。
含水によってALCパネルの強度が低下していれば、より剥落や欠損しやすくなるでしょう。
1. チョーキング現象の発生
ALCパネルの塗装が劣化すると、表面を手で触った際に白い粉が付着する現象が見られます。
これをチョーキング現象と呼びます。
チョーキング現象が見られた場合は塗装の劣化が進行している証拠ですので、塗り替えによる塗膜のリセットを行いましょう。
2. ひび割れ(クラック)
ALCパネルの表面や目地部分にひび割れが発生することがあります。
構造上の問題や地震などの外部要因によるひび割れの可能性もありますが、塗膜が劣化して防水機能を失った結果としてALCパネルの吸水が進み、それによる膨張・耐久力の低下によってクラックが発生してしまうこともあります。
見かけた場合には塗装が必要かもしれないと判断し、一度業者の点検を受けてみることが推奨されます。
3. コケや汚れの付着
塗膜が劣化すると雨水が弾けなくなり、吸水を起こしたALCパネルの表面に水分を好むコケや藻・カビが繁殖しやすくなります。
ALCパネル表面に緑の変色が目立ったり、汚れが落ちにくくなってきた場合には塗膜の防水性が失われている可能性が高いため注意しましょう。
厚みがある分強度も高いALCですが、吸水による劣化が進行してしまえばその厚み自体意味がなくなってしまいます。
必ず数年ごとの目視点検、築年数に応じた外壁塗装メンテナンスを心がけましょう。
4. コーキングのひび割れ・肉痩せ
ALCパネルは目地が多いため、コーキング材の劣化が雨漏りの大きな原因となります。
ひび割れや隙間が生じた状態を放置すると雨水が浸入し、内部構造や基礎部分の腐食を招くおそれがあります。
劣化サインとしては①弾力性がない、②ひび割れや肉痩せが起きている、③下地のバックアップ材が露出する等の段階を踏みます。
心配という方は専門の業者の点検を受けてください。
劣化状況別のメンテナンス方法と費用目安
ALCパネルの劣化状態に応じた代表的なメンテナンス方法と、総2階30坪程度の住宅での費用相場は次の通りです。
外壁塗装(60万円~90万円)
塗膜の剥がれやひび割れに対して行う基本的なメンテナンスです。
防水性の維持に欠かせず、工期は14日程度が目安となります。
シーリング補修(打ち替え:28万円~48万円)
目地の劣化に対応します。
ALCは目地が多いため費用がやや高めですが、耐久性を確保するには「打ち替え」工法が効果的です。
ALCパネルの交換(390万円~)
パネルの破損や欠落が著しい場合に実施されます。
費用は高額ですが、新品同様の耐久性を取り戻すことができる唯一の方法です。
なお、これらの工事を行う際には必ず足場の設置・解体費用が発生します。
外壁塗装とシーリング補修は劣化周期が近いため、同時に実施することで足場費用を節約でき、効率的なメンテナンスが可能です。
ALCパネルは品質と信頼性を保証するため、日本工業規格「JIS A 5416」の認証を取得したメーカーのみが生産を許可されています。
この厳しい基準を満たして国内でALCパネルを製造しているのは、現在わずか3社のみです。
旭化成建材株式会社「ヘーベルシリーズ」
旭化成建材が製造する「ヘーベル」は、ALCパネルの代名詞とも言える存在です。
高い強度と優れた耐震性を誇り、独自のロッキング構法によって、地震などで建物が変形してもパネルの損傷を最小限に抑える仕組みを備えています。
「ヘーベルライト」や「パワーボード」など、超高層ビルから戸建て住宅まで幅広く対応する製品がラインナップされており、国内シェア・実績ともにトップクラスの信頼性を誇ります。
ケイミューシポレックス株式会社「シポレックス」
ケイミューシポレックス株式会社(旧住友金属鉱山シポレックス株式会社)のシポレックスは環境と安全性を重視したALCパネルです。
アスベストやホルムアルデヒドを一切使用していないため、健康被害の心配がありません。
クリオン株式会社「クリオン」
クリオンは耐震性と施工性に優れた独自の標準仕様を厚型パネルに設けており、その品質から東京スカイツリーへの使用実績もある信頼性の高いALCパネルとなっています。

| 施工内容 | 外壁塗装・屋根塗装 |
| 施工期間 | 14日間 |
| 築年数 | 10年 |
| 使用材料 | 外壁:パーフェクトトップ(艶無) ファインパーフェクトトップ 屋根:サーモアイSi |
新築からちょうど10年ということで外壁塗装をしたいとご相談をいただきました。
お客様は目地のシーリングのひび割れやALC部分の劣化を気にされており、「新築時と同じようにしたい」とのことです。
できるだけ、新築時に近づけるため、ALC部分へはシーラーとパーフェクトフィラーで下塗りを2回行っています。
点検の様子
白い外壁とアクセントのブルーグレーの外壁が素敵なお住まいです。ブルーグレーの外壁は窯業系か金属のサイディングのようにも見えますが、両方ともALCでした。
築10年というと傷みが出始めるお住まいも多いのですが、かなり綺麗に保たれています。こういった時期に外壁塗装するのが美観を維持する上でもお薦めです。
ALCで特に気をつけなくていけないのが、目地のシーリングです。
ALCは雨水を吸水しやすい性質を持っていますから、目地などのシーリング材が傷むとそこから吸水してしまいます。
目地はまだ大丈夫そうですが、サッシ枠はかなり危険な状態です。
白い外壁の左端がざらざらしているのも気になります。こちらは少し厚めに塗料を塗ってあげた方がよさそうです。
足場の仮設と高圧洗浄
綺麗に見えても結構、汚れているものです。洗浄した部分としていない部分がハッキリ分かります。
高圧洗浄では水流に回転をかけるトルネード洗浄もできるのですが、ALCの外壁に行うと削れてしまうこともあるので、ノズルを交換して行いました。
ALCの外壁塗装に関して多く発生するトラブルが「塗膜の剥がれ」です。
塗膜の剥がれを起こす原因はほとんどが不十分な下地処理なのです。
例えばALCの凹凸に付着している汚れや苔の除去不足、下塗りシーラーの塗装ムラが後々塗膜の剥がれを起こしてしまいます。
いかに丁寧な下地処理を行うかによって、ALC塗装仕上がりの全てが決まります。
シーリングの打ち替え
シーリング材を剥がして、専用のプライマーを塗布して、打ち替えを行います。
ALCはシーリングも重要なので、シッカリと充填します。
しっかりと乾燥させることも必要です。
外壁塗装
今回はパーフェクトフィラーとシーラー、2回の下塗りを行うことによって外壁を強くします。
築10年であれば、そこまでは必要ないのかもしれませんが、こうしておくとやはり耐用年数も長くなります。
グレイッシュブルーのALCも2回の下塗りをおこなってから上塗りに入ります。
お客様はどちらの外壁にも艶消し塗料をお選びになられました。
白い部分はグレーがかっていますが、完全に乾けばもっと白くなります。グレイッシュブルーは画像だと黒く見えますが、乾くともう少し青くなります。
今回ALC外壁塗装に使用したパーフェクトトップ(日本ペイント)はシリコングレードを超える耐久性のラジカル制御形の水性塗料になります。
艶仕上げが選べる他、透湿性が高いためALC外壁の塗装には最適な塗料と言えます。
高耐候なパーフェクトトップとセットで使用したシーリング材はもちろん、高耐久のオートンイクシードです。
竣工
雨樋などの付帯部塗装を終えて、外壁塗装と屋根塗装が完成しました。
新築後10年というと、昨今の丈夫になった建材ではメンテナンスには時期尚早と感じる方もおられると思いますが、これから発生する可能性のある不具合の予防と考えれば、決して早い時期ではありません。
むしろ、理想的な時なのです。
今後も10年を目安に塗り替えを行っていけば、お家の健康を長く維持できると思います。末永く快適にお過ごしください。
専門知識を持つ業者へ塗装メンテナンスを依頼しましょう
ALCパネルは構造的に繊細な素材であり、一般的な外壁と同じ施工方法ではその性能を十分に発揮できません。
ALC外壁の特性を理解したうえで、適切な塗料選定と施工技術を持つ専門業者へ依頼することが不可欠です。
経験豊富な施工業者に任せることで、外壁の防水性能や美観を長期的に維持し、結果として住宅全体の資産価値を守ることにもつながります。
「街の外壁塗装やさん」ではALCパネルへの塗装メンテナンスにも豊富な実績があり、最適な塗料選びをご提案・しっかりとした打ち合わせをもとに工事を進めさせていただきます!
ALCパネルのメンテナンスを依頼する業者選びにお悩みの方、まずは無料相談・見積もり作成からお気軽にご依頼ください。
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ALCは高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリートです。
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軽量ながら耐火性、断熱性、遮音性、耐震性に優れています。
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ALCパネルには厚型パネルと薄型パネルがあり、それぞれ用途に応じて使い分けられます。
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不具合に対してメンテナンスをするのではなく、それを予防するメンテナンスを行うことが大事です。
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適切な時期に外壁塗装とシーリング打ち替えを行い、吸水を防げば、同じお宅に50年以上住むことが可能です。
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ALC外壁の塗装には塗膜の膨れや剥がれを起こしにくい透湿性の高い塗料を選びましょう。
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吸水を確実に防ぎたいALC外壁だからこそ高耐久でひび割れが起きにくいシーリング材(オートンイクシード等)の使用がお勧めです。
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